『100年の森づくり』事業

『100年の森づくり』事業
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事業概要

事業概要私たちはこの100年ほどの間に、緑(森)が私たちに与えてくれる様々な恵みを忘れ去り、川を埋め都市の緑を追放し、 コンクリートのまちを作り上げ、その結果ヒートアイランド現象や都市洪水など、都市特有の異常気象が生じています。
「100年の森づくり」プロジェクトは、「まちの中に森をつくろう!」という趣旨で、 2002年に当協会の企画、九州電力株式会社の協賛でスタートし、2003年から「100年の森づくりフォーラム」を年1回九州各地で開催しています。

「まちの中に森をつくる」土地を確保するのは大変難しい問題ですが、まちの中に『緑と水と土』を取り戻すべく、 学校や工場跡地の緑化など身近な「まちの中の緑の拠点づくり」の必要性を提言し続けたいと考えています。

100年の森づくり事業「まちの中に森を創ろう!」

100年の森づくり事業「まちの中に森を創ろう!」 日本はもともと森に恵まれた国でした。

森の『緑と水と土』が織り成す生態系が資源を循環させ、長い間日本人の暮らしを支えてきましたが、わずか100年足らずの間にその『緑と水と土』が失われてしまいました。 『100年の森づくり』は100年後の未来への遺産として、親子三世代を超えて引き継ぎながら、都市に『緑と水と土』を取り戻す市民活動であり、『人と森の復縁』をめざす取り組みです。

『100年の森』の規模と条件は、都市あるいは都市近郊に新たに創る森であり、環境の多様性に必要な「水辺」のある1ヘクタール規模の「小さな森」(サテライト)と、10ヘクタール規模の「大きな森」(コア)の2種類の森を組み合わせ、ネットワークでつなぎます。 『100年の森づくり』の方法は、「ふるさとの木と土によるふるさとの森づくり」を原則とし、自然の復元力を手助けすることにより、森の蘇る速度を速める方法を提案します。

森を形づくる高木のうち、優先種である常緑のシイ・カシ類(シイ類・アラカシなど)や落葉性の種(コナラ・クヌギなど)、高木に育つ多様な種(クスノキ科など)の苗を育てて植えることで、多様性のある森を蘇らせることが可能です。 苗を育てるための種は、近隣地域に残された森で採集することを原則とし、同時に落ち葉や土を運ぶことで土壌生物の移動を手助けすることを提案します。

『100年の森づくり』の担い手は、都市に暮らす市民です。そのため、市民による森づくり組織に、行政・企業・専門家がそれぞれの立場で参加・協力しあえる環境整備が必要です。 『100年の森づくり』は三世代を超えて取り組まれる事業であり、したがって森づくりを担う次の世代の育成が必要です。 また、『100年の森づくり』事業にあたっては、地域住民との合意形成を十分に図りながら進めることが重要です。

都市の暮らしは、物質的な豊かさが集約された環境ですが、決して心豊かな暮らしとは言えません。 これからの100年は、都市に自然を再生することが要求される時代になると考えます。 その方向に向けた新しい実験として、私たちは『100年の森づくり』を提案し、多くの方々に呼びかけ、ご賛同・ご協力をお願いします。

『100年の森づくり』の提案

『100年の森づくり』の提案日本は森に恵まれた国であり、縄文時代以来、日本人の暮らしは森とともにあったといっても過言ではありません。 そして、森は私たちの暮らしに、食料・燃料・肥料・建材・季節感や癒しなど、多くの恵みをもたらしてきました。

森にはまた、緑だけでなく水と土があり、『緑と水と土』が織り成す生態系が資源を循環させ、私たちの暮らしを持続可能なものにしていました。 そして子供たちは森に分け入り、森で遊ぶ経験を通じて、自然の中で生きる力を育んできました。 このような日本人の暮らしは、数千年の長きにわたって、ごく最近まで連綿と続いてきました。 今私たちが住んでいる町も、100年前には、田畑や小川や池、雑木林、鎮守の森、屋敷林など、今とは比べ物にならないほど緑豊かな田園風景が広がっていたはずです。

しかし、このような日本人の暮らしは、わずか100年足らずの間に、劇的に変化しました。 私たちが便利さを追求してきた結果、祖先が大切にしていた『緑と水と土』が織り成す森は失われ、コンクリートに覆われた都市が生まれました。 その結果、誰も予想しなかったヒートアイランド現象や光化学スモッグ、熱帯夜、集中豪雨など、都市特有の異常気象が生じています。 今や、日本人の多くは、森と隔絶された都市空間で暮らし、不快な環境に悩まされながら、日々の暮らしを送っています。

このような現状を変えていく試みとして、都市の中に森を蘇らせるプロジェクト『100年の森づくり』を提案します。 『100年の森づくり』は、100年後の未来への遺産として、親子三世代を超えて引き継ぎながら、都市に『緑と水と土』を取り戻す市民活動です。 それは、ただ木を植えて自然環境の復元をはかるだけでなく、人と森との復縁をめざす提案でもあります。 すなわち、都市に住む市民が日常的に森にかかわる暮らし方を再現し、森づくりを通じて次世代を担う子供たちを育て、森と結びついた歴史的風土や文化を再生し、伝承してゆく取り組みです。 私たちはこの提案を通じて、大地に木を植えるだけでなく、人の心にも木を植えたいと考えています。

『100年の森』の規模と条件

『100年の森』の規模と条件『100年の森』は、都市の中に、あるいは市民の生活圏内にある都市近郊に、新たに創る森です。

都市域における大きな用地の確保が容易ではないことを考慮し、1ヘクタール規模の「小さな森」(サテライト)と、 10ヘクタール規模の「大きめの森」(コア)という2種類の森をネットワークでつなぐ方法を提案します。 10ヘクタール規模の用地がすぐに確保できない都市でも、「小さな森」を作ることから始め、そこから森づくりへの合意を広げることを提案します。

私たちの祖先の暮らしとともにあった森は、樹林だけで成り立っていたわけではありません。 そこには池があり、草地があり、明るい場所と暗い場所、湿った場所と乾いた場所の多様性がありました。 このような環境の多様性を再生するために、『100年の森』には池を作ることを提案します。 そうすることで、水辺と樹林を行き来する多くの生き物が暮らすことができます。

『100年の森づくり』の方法

『100年の森づくり』の方法 森は人工物ではありません。したがって、「森づくり」の基本は、自然の復元力にゆだねることです。 都市の中でも、土と水があれば、やがて風や鳥によって種子が運ばれ、森が蘇ります。 『100年の森づくり』では、このような自然の復元力を手助けすることによって、森が蘇る速度を早くする方法を提案します。

森をかたちづくる高木のうちシイ・カシ類(どんぐりの仲間)は、森の優占種でありながら、種子が大きいために、風や鳥によって運ばれてくる機会が限られています。 これらの苗を育てて植えることで、森が蘇る速度を早めることができます。 ただし、どんぐりの苗だけを植えれば、一様な樹林になってしまいます。 そこで、どんぐりの苗にくわえて、高木に育つ多様な種(クスノキ科など)の苗を混植し、多様性を保ちながら、シイ・カシ類が優占する森を育てます。

森の優占種であるシイ・カシ類には、常緑性の種(シイ類、アラカシなど)と、落葉性の種(コナラ、クヌギなど)があります。 日本の暖地では、遷移が進めば常緑性の種が優占する森になります。 鎮守の森はふつう、このような常緑性のシイ・カシ類が優占した、暗い森です。 しかし、私たちの祖先が暮らしの中で接してきた森は、落葉性の種が優先した明るい森でした。 神域、聖域としての常緑林と、生活域としての落葉林が隣接し、多様な環境を作り出していた点に、日本の森の特徴がありました。 『100年の森づくり』では、このような森の多様性を再現するために、常緑性のシイ・カシ類と、落葉性のコナラ、クヌギなどを混植することを提案します。

このようにさまざまな樹種の苗を植えるにあたり、特定の樹種を特定の場所に植えるように計画するのではなく、森づくりに参加する市民が自由に、気ままに植える場所を選ぶことを提案します。 自然の森はさまざまな偶然の積み重ねによって成り立っています。 そこで、参加者の自由意志によってばらつきを作り出し、計画された人工林ではなく、自然に委ねられた森を再生します。
植え込む苗は、苗圃で高さ1m程度まで育てます。こうすることで、雑草との競争に負けずに苗が育ち、森を早く蘇らせることができます。 重機を使って高木を移植しなくても、この方法で森を育てれば、約10年で、高さ8m程度の若い森を再生することができます。

苗を育てるための種子は、近隣地域に残された森で採集することを原則とします。 また、落ち葉や土を近隣地域から手作業で運び、苗木の肥料にするとともに、ミミズなどの土壌動物の移動を手助けすることを提案します。 すなわち、『ふるさとの木と土によるふるさとの森づくり』をめざします。

『100年の森づくり』のにない手

『100年の森づくり』のにない手 『100年の森づくり』を担うのは、都市に暮らす市民です。 行政や企業が主導するのではなく、市民が主体となって森づくりの組織をつくり、市民の手によって森づくりを行うことを提案します。

もちろん、企業・行政・専門家がそれぞれの立場で『100年の森づくり』を支援することは、この事業の成功にとって不可欠です。 市民による森づくり組織に、企業・行政・専門家がそれぞれの立場で参加し、協力し合える環境を整えることが必要です。

『100年の森づくり』は、少なくとも3世代を超えて取り組まれる事業です。 この事業の中で、森づくりを担う次の世代の若者が育つことが大切です。 したがって、子供たちが森づくりに参加し、その経験を通じて育っていくように、教育委員会の協力を得ながら、学校教育との連携をはかることを提案します。

『100年の森づくり』にあたり、事業地周辺の市民全員が森づくりに賛成するとは限りません。 サテライトやコアの予定地では、市民への説明会を開催し、地域の住民との合意形成を十分にはかりながら、事業を進めることが必要です。

私たちは、高度経済成長時代を通じて、物質的な豊かさを得ました。 今や日本は、世界でもっとも物資に恵まれた国となりました。 都市は、物質的な豊かさが集約された環境といえるでしょう。 しかし、都市の生活は、決して豊かな暮らしとはいえません。 都市に暮らすことを通じて、私たちは、生活の豊かさは、決して物質的な豊かさだけで達成できるものではないことを知りました。

これからの100年は、都市に自然を再生することが要求される時代になると考えます。 その方向に向けた新しい実験として、『100年の森づくり』を提案します。
人々が身近にふれあえる都市の森を蘇らせる活動に、多くの方々のご協力を呼びかけます。

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NPO法人 緑のまちづくり交流協会
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